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慢性腎不全

 慢性腎不全は心臓病や腫瘍と並んで中年齢、老齢の犬猫に多い疾患です。
 腎臓は体内の血液をろ過し、尿として体に不必要な老廃物を外に出し、体内を健康な状態に保つ
役割を担います。
 また、電解質やミネラルの調節、血球を作るために必要なホルモンの分泌、体内の水分が一定に
なるように尿の量を調節するなど様々な働きをしています。
 慢性腎不全は徐々に腎臓の組織が障害を受け進行するのですが、初期段階では一部の正常な組織
の働きにより見た目での症状はほとんどありません。
 腎臓の70〜80%以上の機能を失って始めて症状がでてきます。


 症状
  ・ 水をよく飲む
  ・ トイレの回数が多い
  ・ 食欲がない
  ・ 元気がない
  ・ 痩せてくる
  ・ 嘔吐する
  ・ 口臭がする
  ・ 脱水
 

 診断
 血液検査、尿検査、場合によってはレントゲン検査、超音波検査などを行って
 原因疾患や進行の程度、合併症の有無などを診断します。
 

 治療
  主な治療
 ・ 尿毒症と脱水の改善のための輸液
 ・ 腎臓の負担を軽くするための内服薬の投与
 ・ タンパク質やリンを制限した処方食


  飼い主さんに気を付けてほしいこと
 ・ 新鮮な水をいつでも飲めるようにすること
 ・ ストレスのかからない環境をつくる
 ・ 1日の尿の回数や量をチェックする 
 ・ 猫のトイレは好みに合ったものを選び、常に清潔にしておく 


    
 

腎不全は進行性の病気のため、一度障害を受けた腎臓の組織を元通りに回復させることはできません。
しかし、早期に異常を発見し、適切な治療と食事管理を行うことで進行を遅らせ、より長くより良い生活をさせていくことが可能です。



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